『彼女』を求め、『男』は移ろう
犠牲にされた妹。
「でも、私は絶対に赦さないからね・・・」
緋く燃える焔の内に見える『男』を見据え、女は笑っていた
妹は誰からも愛されていた
器量の悪かった私は、そんな妹が妬ましかった
「妹(あの子)は他人とは違うから、
お姉ちゃん(あなた)が助けてあげてね」
それが病の淵に倒れた母が遺した言葉だった。
母が亡くなった後、暮らしに変化が訪れる。
私は朝夕構わず働いた。
村の男達は優しかったけど、女達は冷たくなっていった。
そして
妹が子供を身ごもっていると発覚した。
村の男達は互いに顔をみあわせ口をつぐむ
派手な打音を立て、仕立て屋の若女将が妹の頬を張り飛ばした
ぐらりと世界が揺れた
そして私は若女将につかみかかり―――
妹は酷い仕打ちにあい、傷ついたはすなのに
でもあなたはやさしい子だから 全てを赦すのでしょうね
「――等しく灰に還るがいい!!」
燃え盛る焔を見、凍りつくような微笑とともに
つぶやいた
PR